吉田松陰が海外密航に失敗し、野山獄に収容されたのちに預けられた実家の杉家旧宅。 幽囚旧宅は木造瓦葺き平屋建て214uの住宅で8畳4室、6畳3室、4畳、3畳7分、3畳半・3畳および2畳各1室ほか、板間・物置・土間を有するかなり大きい建物である。 幽囚の室は東側にある3畳半の1室であるが、もともと4畳半の室であったものに神棚が作られたため狭くなったものと思われる。 松陰は、伊豆国下田でアメリカ軍艦による海外渡航に失敗して江戸の牢に捕えられ、ついで萩の野山獄に入れられたが、安政2年(1885) に釈放されて父杉百合之助預けとなり、幽囚室に謹慎して読書と著述に専念した。 そして近親者に孟子を講じるようになり、それが評判となって入門者が増えたため松下村塾で教えるようになった。 国の史跡に指定されている。 |